夕凪の街 桜の国

静かで儚い物語→でも凛としたメッセージが込められている。
評価☆☆☆☆
本日、公開初日見て来ました。　物語は前半、原爆投下から13年後の昭和33年の広島を舞台とした「夕凪の街」と後半、平成19年を舞台とした「桜の国」の2部構成になっている。原爆をテーマにした作品としては以外にも悲惨で生々しい描写は少ない。けれども皆実の背負った罪悪感、その苦しみから解放してくれる存在である打越との出会い。ようやっと掴みかけた何気ない幸せの前に立ちはだかる被爆の後遺症。それらが、静かな映像ではあるが
ふつふつと訴えかけてくるもの。原爆とは過去のものではない、今もその現実に苦しんでいる人がいるということ。それは何も直接体験した者だけに止まらず、その家族や末裔にまで及んでいるということ。それらを深く静かに
見ている者に伝えてくれる。当時、アメリカは日本はもう降伏するしか無い段階であったことを知っていたにも関わらず、戦後の冷戦構造を見越しソビエトに対する牽制の意味を込めて原子爆弾を投下したらしい。皆実が息を引き取る瞬間に言ったセリフ。「原爆を落とした人たち、また一人殺せたって喜んでくれとる？」戦争終結が目的ではない、そんなことよりももっとくだらない政治的意味であれだけ悲惨な行為をいとも簡単に出来てしまう人間の性に恐ろしいものを感じてしまった。世界で唯一の被爆国としてこの事実は永遠に語り継がれていかなければいけないことだろう。

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Comments

ＴＢどうもでした！
皆実のあのセリフ、切なかったですね。そんなふうに思う気持ちもあるのだと。
「夕凪の街」の方がしっかりまとまっていると思いました。

Posted by カオリ at 2007年07月29日 12:18

いえいえ、こちらこそ何の予告無しでトラックバックすいません。　有り難うございます。

Posted by 豪 at 2007年07月29日 19:55

はじめまして、遅まきながら観てきました。

＞それは何も直接体験した者だけに止まらず、その家族や末裔にまで及んでいるということ
そこにこの作品の２部構成が意味を持って訴えてきましたね。
皆実のセリフやナレーションはみんな哀しかったです。

公開劇場も少なく、条件は悪いですが、是非多くの方に観て欲しい作品でした。
TBさせてくださいね。

Posted by kira at 2007年08月06日 23:12

コメント有り難うございます。トラックバックして頂きまして有り難うございます。こちらかも送信させて頂きましたんでよろしくお願いします。

Posted by 豪 at 2007年08月07日 02:01

　こんばんは♪
　TBどうもありがとうございました。

　原爆がけっして過去のものではなく、
　今この時代だからこそしっかり考えないといけない、
　そんなことをきちんと見せてくれた映画でしたね。
　被爆者の苦しみを無にしてはいけないし、
　今後こんなことは絶対避けないといけないと、
　強く思いました。

Posted by miyukichi at 2007年08月16日 21:15

こんばんは。コメント有難うございます。本当にその通りだと思います。こんなこと２度とあってはいけないし、いまの時代だからこそもう一度しっかりと過去どんなことがあったのか認識し考えていかないといけないんだと思います。そういった意味でよい映画ですよね。多くの方に見て頂きたいです。

Posted by 豪 at 2007年08月17日 01:50

TBありがとう。
無差別爆撃は、原爆と並んで、戦争終末期の日本各地への空襲も、忘れることは出来ません。

Posted by kimion20002000 at 2008年03月27日 00:19

こんにちは。こちらこそ、TB コメントありがとうございます。そうですね。原爆や日本各地への空襲で多くの方々が亡くなられた事実は決して忘れてはならないことだと思いますし、また次の世代に正しく語り継いでいくべきことです。
二度と同じことが繰り返しておきないように。

Posted by 豪 at 2008年03月27日 13:24